炭素被覆による酸化チタンとタングステン酸化物還元相の合成と可視光下での光触媒能(IV)

【酸化チタンとタングステン酸化物還元相吸着及び光分解実験結果2】:

《TiO2 + PVA》の可視光照射下での光触媒能:

分解速度定数:TiO2<Ti9O17<Ti4O7<Ti3O5,Ti4O7<Ti2O3,Ti3O5

・炭素被覆酸化チタン還元相は、可視光照射下で光触媒活性を示した。

・より還元された結晶相の方が光触媒活性は高くなった。

 

《NW + PVA》の可視光照射下での光触媒能:

分解速度定数:WO3<WO2.92<WO2<WO2,W18O49<W18O49,WO2

・炭素被覆を施した試料では、可視光照射下で光触媒活性を示した。

・W18O49は,高い光触媒活性を持つと推察された。

【結論】

・炭素前駆体物質の混合比を増加させることで、より還元が進行することから、混合比を変化させることで、結晶相の制御が可能であることが明らかとなった。

・炭素被覆したことにより、酸化チタン還元相及び酸化タングステン還元相が得られ、それらは可視光応答性を示した。

・酸化チタン還元相では、Ti2O3、酸化タングステン還元相では、W18O49の光触媒活性が高く、また、これらの比較からW18O49が最も高い活性を示した。

 

 

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炭素被覆による酸化チタンとタングステン酸化物還元相の合成と可視光下での光触媒能(III)

【酸化チタンとタングステン酸化物還元相吸着及び光分解実験結果1】:

・可視光領域全体に吸収→炭素被覆された

・表面積が増加→被覆した炭素によるもの  

 

《TiO2 + PVA》のPVA添加量依存性:

・PVA添加量の増加は、より還元を進行させ得る。

・混合比を変化させることで結晶相の制御が可能である。

 

《NW + PVA》の焼成温度依存性:

・高温焼成では、Wや、WO2 結晶相が発達するために、還元相W18O49を得るための最適焼成温度は 800 ℃であると推察された。

 

《NW + PVA》のPVA添加量依存性:

・PVA添加量の多い試料ほど還元がより進行しており、また、 NWP90-800(焼成温度800℃、混合比 90/10)で還元相 W18O49の割合が最も多くなった。

 

 

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炭素被覆による酸化チタンとタングステン酸化物還元相の合成と可視光下での光触媒能(II)

【実験方法】

還元相酸化チタンの合成《TiO2 + PVA》方法:PVA(ポリビニルアルコール)をN2雰囲気で、昇温速度5 ℃ / min、1100 ℃で1時間の熱処理。

・タングステン酸化物還元相 W18O49 の合成《NW + PVA》方法:PVA(ポリビニルアルコール)をN2雰囲気で、昇温速度5 ℃ / min、800-1100 ℃で1時間の熱処理。

・タングステン酸化物還元相 W18O49 の合成《WO2.9 + PVA》方法:PVA(ポリビニルアルコール)をN2雰囲気で、昇温速度5 ℃ / min、800 ℃で1時間の熱処理。

・タングステン酸化物還元相 W18O49 の合成《 WO3 + PVA》方法:PVA(ポリビニルアルコール)をN2雰囲気で、昇温速度5 ℃ / min、800 ℃で1時間の熱処理。

 

【吸着及び光分解】

吸着及び光分解方法:

5.4×10-4 mol/dm3 0.1dm3の0.1gサンプルを暗所にてて飽和に達するまで攪拌して(吸着による濃度減少と光分解による濃度減少を区別)、FLランプ(UVカット)を照射し、310~400 nm → 0 μW/cm2、360~470 nm → 460μW /cm2の変化がでった。

・分解挙動の比較:c = c0 exp(-kt)    ln(c/c0) = -kt   

c : 濃度  c0 : 初濃度  c /c0: 濃度変化率  k : 反応速度定数  t : 照射時間

・濃度変化率c/c0を,FL 照射時間に対してプロットし,その対数をとり直線に近似.

・その傾きを分解速度定数として用い,分解挙動を比較

 

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炭素被覆による酸化チタンとタングステン酸化物還元相の合成と可視光下での光触媒能(I)

【緒言】

酸化チタン光触媒は、そのバンドギャップエネルギーから、太陽光、蛍光灯下において十分にその効果を発揮できていない。

酸化チタン還元相:ルチル型酸化チタン + PVA(1100℃)→炭素被覆,還元

炭素被覆酸化タングステン還元相:タングステン酸化物 + PVA(900~1100℃)→炭素被覆,還元

炭素被覆還元相酸化チタン:ルチル型酸化チタン+炭素前駆体物質(1100℃)→炭素被覆,還元

 

酸化チタン以外の材料:

酸化タングステン→酸化チタンより小さいバンドギャップエネルギーを持つ。

還元相タングステン酸化物W18O49→可視光応答型が示唆されている。

酸化チタン、または酸化タングステンに炭素被覆を施すことで還元相を得、これらの可視光応答性について検討・比較を行う。

 

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ナノ酸化タングステンの近赤外吸収功能

ナノ酸化タングステンは触媒および隠す特性、電致変色性、気致変色性、光致変色性、気敏、超導など様々な特性を持っている多功能半導体功能材料である。
 
今まで、酸化タングステンナノ粒の電学研究、気敏特性および光触媒性能などはより多い研究があったが、酸化タングステンナノ粒及びその複合半導体ナノ粒の光学性能についての報道はまだ少ない。
 
酸化タングステン半導体の禁帯幅は2.6~2.8eVなので、締切波長はより短い(約460m)。大量な研究によると、半導体材料の表面等イオン共振能は特定波長の光に吸収され、酸化タングステンナノ粒を一定的の還元処理或いは第三相陽イオンを増加する。そうすると、その表面に大量な自由イオンを集めて、等イオン共振させて、吸収近赤外線の特性をもされる。
 
酸化タングステンナノ粒は真空状況で、安定しているMagneli相を生成られる。また、陽イオンアクセス時、安定している立方及び六方タングステンブロンズ鉱物結構も取れる。だから、還元処理し、大量な自由電子アクセスしたあと、酸化タングステン及びその複合物は変わらずに安定的な結構と物化性能を持つ。他に、長時間照らされても吸収性能も安定している。同時に、酸化タングステンナノ粒の大きさは可見光波長と比べてより小さいから、可見光の透明性を保持できる。
 
 
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複合化光触媒(WO3/CuBi2O4)における複合組成と光触媒特性の関係

複合化光触媒の各複合比(WO3/p型半導体)におけるピーク面積比CO2/N2の可視光照射時間依存性結果は:WO3/p型半導体を1/2から2/1に変化させることにより、可視光応答性が増加することが分かる。これよりWO3の複合化割合の増加により、光励起によるWO3からp型半導体への電子移動の量子収率が増加することが考えられる。
 
この理由として、WO3とCuBi2O4のバンドギャップはそれぞれ2.7eV、1.5eVであり、WO3の励起フォトン数はCuBi2O4と比較して大きく減少するためであり、WO3の混合割合を増加させる必要があることによる。
 
また可視光応答性が複合比に強く依存することからも、WO3からp型半導体への光励起電子移動機構、すなわちZスキーム機構が作動していることが支持される。高感度可視光応答性を実現するためには、複合比(WO3/p型半導体)の最適化を図る必要があると言える。
 
 
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複合化光触媒(WO3/CuBi2O4)の可視光吸収特性及び光触媒特性(Ⅲ)

しかし複合化光触媒WO3/CuOはWO3/CuBi2O4と比較して可視光応答性は低下した。CuOはCuBi2O4と比較して比表面積が大きく、複合化光触媒における電子的接触面積は大きくなると推測される。
 
したがってWO3/CuBi2O4と比較してWO3/CuOで可視光応答性が低下したのは、上述のWO3とCuOとの光励起の量子収率の一致、WO3からCuOへの光励起電子の移動効率、CuOの励起電子の還元力、の3点について劣っていると考えられる。
 
複合化光触媒WO3/CuxBiyOz(CuO:95mol%)については、いずれもWO3/CuBi2O4及びWO3/CuOよりも可視光応答性は低下した。Fig.2(b)で示したように、CuxBiyOz においてはCuBi2O4とCuOの結晶構造の2相から構成されており、2相の相界面が光励起により生成した正孔及び電子のトラップサイトとなると考えられる。
 
したがって、CuxBiyOz の可視光吸収特性及び比表面積がCuOと同程度であっても、可視光応答性は低下したと考えられる。複合化光触媒WO3/ CuxBiyOz(CuO:75mol%、CuO:25mol%)についても同様に相界面の形成が可視光応答性の低下の要因の一つになっていると考えられる。
 
 
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複合化光触媒(WO3/CuBi2O4)の可視光吸収特性及び光触媒特性(Ⅱ)

前述の結果から、複合化光触媒はZスキームが作動していることを裏付けることが可能である。WO3の価電子帯準位、伝導帯準位はそれぞれ+3V (vs. NHE)、+0.3V(vs. NHE)であり、CuBi2O4の価電子帯準位、伝導帯準位はそれぞれ+1V (vs. NHE)6)、-0.5V(vs. NHE)6)であり、酸化作用を示すWO3の伝導帯準位は還元作用を示すCuBi2O4の価電子帯準位よりも0.7Vと十分にネガティブ側にあるので、可視光照射によりWO3の伝導帯準位に励起された電子はCuBi2O4の価電子帯に移動して、価電子帯に生成した正孔と結合して消失する。
 
これよりWO3の伝導帯に残存した正孔は酸化作用を行い、一方CuBi2O4の伝導帯に残存した電子は還元作用を行うことにより、可視光応答性が発現すると考えられる。
 
また複合化光触媒WO3/CuxBiyOz及びWO3/CuOにおいても可視光応答性が発現したことから、CuxBiyOz及びCuOの価電子帯準位はWO3の伝導帯準位よりもポジティブ側に位置していることが推測される。次に複合化光触媒の中で最も高感度可視光応答性を示したのは、WO3/CuBi2O4であった。
 
この要因として、以下の四つが考えられる。
①WO3とCuBi2O4の光励起の量子収率がより近い値となっている。
②WO3の伝導帯準位とCuBi2O4の価電子帯準位の差が0.7Vと十分あり、WO3で励起された電子がCuBi2O4に移動する効率は極めて高い。
③WO3とCuBi2O4との電子的接触面積が大きく、WO3で励起された電子CuBi2O4に移動する割合が高い。
④CuBi2O4で光励起された電子の還元力を大きい。CuOはCuBi2O4よりも長波長光を吸収し、バンドギャップは1.2eVと狭窄化している。
 
 
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複合化光触媒(WO3/CuBi2O4)の可視光吸収特性及び光触媒特性(Ⅰ)

n型半導体WO3とp型半導体CuxBiyOzを質量混合比で2:1として調製した複合化光触媒の可視光吸収特性は以下のようになる:WO3はバンドギャップが2.7eVであり、吸収端は460nm付近に存在する。複合化光触媒の吸収端は800~900nm付近に存在し、吸収端の長波長シフトはp型半導体に起因する。
 
複合化光触媒におけるガスクロマトグラムのピーク面積比CO2/ N2の可視光照射時間依存性実験結果は:いずれの複合化光触媒においても、可視光照射時間に伴って、CO2濃度が増加しており、可視光応答性を示すことが明らかになった。
 
それぞれp型半導体単独、n型半導体単独におけるピーク面積比CO2/N2の可視光照射時間依存性実験結果は:いずれの半導体も単独では、全く可視光応答性を発現しなかった。
 
p型半導体では可視光吸収により生成する正孔の酸化力が弱く、n型半導体では可視光吸収により生成する電子の還元力が弱いと考えられ、両者とも単独では電子-正孔の再結合が優先的に起こると考えられる。
 
 
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酸化タングステン光触媒体製造方法の研究

 
【機能】:材料、素材の製造
【適用製品】:建築部材、自動車部材、空気・水浄化用部材
【目的】:可視光での電子移動が速やかに進行し高い光触媒活性を発現し、建築部材、自動車部材、又は空気・水浄化用部材として極めて有用な新規な酸化タングステン光触媒体およびその効率的な製造方法の提供。
 
【効果】:本技術によれば、鏡、レンズ、板ガラス等の基材の表面に本技術に係る光触媒体を形成させることで表面を高度に親水化することができ、曇りや水滴形成を防止する防曇効果を発揮することができる。また、表面に付着した有機物を分解する効果により、表面が汚れるのを防止し、または表面を自己浄化(セルフクリーニング)し、若しくは容易に清掃する技術にも適用できる。
 
【技術概要】:
この技術では、光触媒体は、電子帯および伝導帯のレベルが酸化タングステンの価電子帯および伝導帯のレベルよりも高く、バンドギャップが2.8eVよりも狭い酸化物を含む部材の上に、電荷移動を促進する物質を含む透明で多孔質な部材が形成され、更にその上に、酸化タングステンを含む多孔質な部材を備える。
 
本技術の光触媒体では酸化タングステンを含む多孔質な部材が表面に露出するように用いる。粒子状の場合、中心部に酸化物を含む部材、界面部に電荷移動を促進する物質を含む透明で多孔質な部材が形成され、表面に酸化タングステンを含む多孔質な部材で形成される。そして、酸化タングステンのバンドギャップは2.5eV~2.8eVで、可視光を吸収することができる。
 
また、下層にある酸化物のバンドギャップは2.8eV以下と酸化タングステンよりも狭いため、酸化タングステンで吸収できなかった更に長波長側の可視光を吸収することができる。この際、界面層にある電荷移動を促進する物質は可視光に対して透明であり、光を遮ることなく、下層の酸化物層を有効に光励起することができる。
 
 
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