タングステン酸化物結晶の成長と基材の材質依存性

これまでのタングステン酸化物結晶の生成は全てNi金属メッシュを基材として用いていた。Ni金属が特別の触媒効果を持っているのか、それとも無関係なのかを調べるために色々な材質の基材を用いて、タングステン酸化物結晶の成長を調べた。
 
ここでは、シリコン(Si)、石英ガラス(SiO2 )、鉄(Fe)、ステンレス(Fe-Ni-Cr 合金)、モリブデン(Mo)の5種類を基材として用いた。全ての基材上にWO2 針状結晶とWO2.72柱状結晶の生成を確認する事が出来た。この事から、タングステン酸化物の生成においては、基材材質の依存性はない事が分かった。
 
すなわち、基材はタングステン酸化物の成長時(堆積時)における受け皿の役割を果たしており、基材の融点が加熱されたWフィラメントの輻射熱に耐えられるものであれば、金属、半導体、絶縁体の種類を問わず何でも良いと思われる。
 
 
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