タングステン電球の改新歴史(II)

【タングステン電球の改新歴史2】

当初の頃、技術者達は次のように考えていた。『ガラス管球内から完全に水や酸素を取り除いてしまうことは不可能である。しかし、ある程度少なくなってしまえば、例えば、水分子10個まで減らすことができたとすると、その10個の水分子は10個のタングステン原子と結び付いて、フィラメント表面から蒸発させるが、それによって管球内の水分子は0個となり、それ以上タングステンフィラメントが消耗することはないであろう。』 
 

ところが実際には、充分に低いと思われる真空度まで排気してもフィラメントの寿命はあまり変わらなかった。当時、ジェネラルエレクトリック社の研究者であったラングミュア は管球内のガスの成分を詳細に調べ(残留ガス分析)、この謎を解明した。水分子が永続的にリサイクル使用されることにより、たとえ微量であっても水分子が存在する限りタングステンフィラメントは消耗していた。(ラングミュア=サイクル) 
 

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