タングステン電球の改新歴史(III)

【タングステン電球の改新歴史3】

原因がわかれば対策としては、このラングミュア=サイクルを断ち切る工夫をすれば良いわけだね。ラングミュアは、圧力は低い程良いという従来の常識を破り、管球内に不活性ガス(希ガス)を封入した。

この希ガス入り電球の発明(1913年)により、白熱電球の寿命は著しく向上し、ジェネラルエレクトリック社とラングミュアに巨額の富をもたらしたそうである。 もっと明るく、もっと高温にするための工夫として、微量のハロゲンガスを入れたハロゲン電球が開発された。

フィラメントから蒸発して、ガラス管壁にくっついたタングステン原子をハロゲンガス分子がフィラメントへ回収するという、ラングミュア=サイクルと全く逆のメカニズムを利用したものである。

この工夫により、フィラメントを高温にして、蒸発が激しくなっても、電球壁面の汚染による輝度の低下を防ぎ(自己浄化作用)、フィラメント寿命を伸ばすことが可能になった。 

 

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