タングステンの加工

タングステンの加工は延性-脆性遷移温度以上、再結晶温度以下の冷間で行う。加工ひずみ回復のため、加工途中適時熱処理をする。線ならびに棒は、焼結体を回転する一対のハンマーダイスで叩いて径2~3mmまで伸展(スエージング)した後、線引きして製造する。

スエージング温度は1,400~1,800Kとする。線引き温度は600~1,400Kとし、線径の小さくなるほど加工温度を低くする。1パスあたりの断面減少率は10~30%である。径10μm以下の線は電解エッチングで製造する。板や箔あるいはブロックの製造には鍛造や圧延が行われる。鍛造温度は1,400~1,800Kで、通常、所望の形状の型に入れて周方向への広がりを制限する型鍛造が行われる。大形製品の圧延も同様に、1,400~1,800Kで行われるが、薄い箔の圧延は1,000K以下で行う。箔の製造には多段ロール機が用いられる。鍛造や圧延では加工途中の温度低下を避けるため、1回の加工はなるべく短時間で行う必要がある。薄板の曲げ、打抜き、絞りは800~1,400Kに加熱して行う。

 

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