タングステンの熱間加工

タングステンは再結晶により機械的強度が著しく低下するため、通常、再結晶温度以下で熱間加工が行われる。一般に熱間加工温度は1,400~1,800Kで、加工が進むに従い低くする。線引きや箔の庄延は600~1,400Kで行う。加工によりひずみが蓄積されるため、所定の加工度に達したところでひずみ除去のための焼鈍を行う。再結晶温度以下の比較的高い温度で加工するため温間加工と呼ぶこともある。

また、タングステンの圧粉体をカプセルに封入し、アルゴン雰囲気中、例えば、温度1,800K・圧力180MPaの高温高庄で焼結する。略してHIPと称す。タングステンの製法としてはあまり一般的ではないが、HIPは焼結温度を低くできるため、比較的微細な組織をもつ焼結体が得られる。密度17Mg/m3(相対密度88%)以上の材料はオープンポアが少なく、カプセルなしでHIP処理ができる。焼結体の密度上昇の手段に用いられる。

 

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